象棋のエンドゲーム、将棋とチェスのエンドゲーム
終盤に関する感覚が象棋とチェスと将棋で異なるのが面白い。以下は最近の対局で引き分けになった局面(手番は紅)。
引き分けに同意したときは、もう少し手があるかと思っていたのだが、象棋巫师に読ませても千日手のような手順が表示されるだけだ。引き分けで正解だったらしい。
将棋・チェスの場合
将棋は盤上の駒が減っても、駒台にある持ち駒が打てるので、手詰まりになりにくい。引き分けになるのは千日手や相入玉など特殊な場合だけだ。私の記憶でも引き分け(再試合)になった対局はそれほど多くない。
チェスはポーンがクィーンに成ることができるので、駒が減った終盤であっても一発逆転が有りうる。というか、よくある。お互いに盤上の駒を相殺しつつ、ポーンの成りを狙うのはチェスの醍醐味の一つだと思う。
象棋の兵・卒は成っても横移動が増えるだけで、さほど強力な駒に変化するわけではない。車や砲、馬のような強い駒がなければ詰みにくい。また、本局のように兵・卒が見合いになると、先に進めることも難しい。チェスのポーンは取るときは斜めに進むので、防御をかい潜ってポーンを進めるのは終盤のテクニックだ。
これらの3つのゲームは、敵の王を詰ませる(取る)という面は一緒だが、味付けが随分異なる。1つを知って、他を知った気になってはいけないと思う。
ディスカッション
コメント一覧
コメント認証がうまくいかなかったということで、別ルートにてコメントいただきました。こちらに転載しておきます。
“いつも記事楽しみに拝見させて頂いています。
今回紹介された局面は、本来引き分けではなく黒勝ちの局面だと思います。
象棋巫师の推奨手順は千日手になる手順ではなく、途中で紅に車砲交換を強要する攻撃手順です。
紅に士相が全くないので、交換後の残局勝負はよほど大きなミスがない限り黒の必勝となります”
なるほどです。そのように形勢を判断するのですね。確かに紅には防御がまったくないので、負けそうではあります。
“おっしゃるようにシャンチーもチェスも将棋も一見似ているようですが、それぞれに違いがあって奥深く面白いですね。
今後も記事更新楽しみにしています”
ご購読ありがとうございます。拙い棋力ではありますが、楽しんでいただける記事が書けるように精進いたします。これからもよろしくお願いします。