明代の象棋棋書「橘中秘」
月刊琉球 第2巻第3号に「囲碁、将棋」というタイトルの
その上教本として傳はつて居るのは、僅かに『橘中秘』一冊である。
「囲碁、将棋」 山田有幹、月刊琉球 第2巻第3号(昭和13年3月1日発行)
この「橘中秘」とはどんな本だろうか?
橘中秘
Baidu百科に記事があった※1。これによると明代末の崇禎五年(1632)に刊行された象棋書のようだ。著者は朱晉楨。全4巻。1,2巻は対局棋譜、3,4巻は残局集である。Baidu記事では「一、二卷为全局着法,分得先、饶先与让子三类」となっていて、どうも2巻は先手にハンディキャップを与えているようなのだが、よくわからない。Wikipedia日本語版シャンチーの項には「『橘中秘』(1632刊)には馬落ちの棋譜が載っており」と書かれている※2。
Internet Archiveに1-3巻がアップロードされている(Contributor 北京大學圖書館)※3。
残局
わかりやすい残局から見てみよう。と、いきなりこれですか。手数長いし、難しいんですけど。昔の人はいきなりこれを解いてたの??
素直に前車進四から王手していくと逆に詰まされてしまうので、最初に詰めろを外さないといけない。橘中秘の手順では炮一平九と回って車に当ててから、詰ましに行く。途中手順の車六平八が見事。
象棋巫师(XQWizard)に残局がある
実は象棋巫师(XQWizard)には橘中秘の残局が搭載されていて、メニューの挑戦→橘中秘(残局編)から参照できる。
137局含まれています。
1番目を選択すると、さきほど書籍で見た局面と同じ局面が出てきました。
ちなみに象棋巫师、象棋旋风の電脳では回答が見つかりませんでした。コンピュータは炮一退八の手順が好きなようですが、そちらは紛れがありそうな気がします。象棋旋风の有料版ならいけるのかな?
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